おしりを出してる人の日記

巨尻の総合エンターテイナー。

天国へようこそ

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もし天国があるとすれば、それはきっとあたたかく、無償の愛で全てを包み込んでくれるだろう。悲しい出来事から我々を守り、涙を優しく拭ってくれる。喜びを分かちあい、輝く明日へ導いてくれる。

 

 

もし天国があるとすれば。

 

 

いや、もしかすると存在するかもしれない。

 

あたたかく、全てを包みこみ、悲しい涙を拭い、輝く明日へ導く…

 

 

そう、それはまさしく

 

 

「寒い日のふとん」

 

 

だがしかし、時に我々は試されるのだ。

それは過酷な試練。暗闇の中、一人きりで遂行しなければならない。

 

夜中、それは静かに忍び寄る。

突如襲う、下腹部への違和感。

 

そう、それはまさしく

 

 

「尿意」

 

 

私は思うのです。

 

 

「もしかしたら、やり過ごせるかも」

 

大体やり過ごせない。

漏れちゃう、ヤバイ、やり過ごさないで。

 

人間とは弱い生き物だ。

天国に一度入国するとなかなか出国できない。

手続きは簡単。

 

「よっこらしょ」

 

こう言いながら、上体を起こせば良いのだ。

ただそれだけ。

 

 

だが我々は弱い。特に私は弱い。

 

 

「よっこらスヤぁ…」

 

そう、よっこらスヤァしてしまう。

ただし、尿意はずっと尾を引き、浅いまどろみが続くのだ。

 

はやく行け。

 

はやく行ってまえ。

 

よっこらしょしろ!!

 

 

しばしの戦いの後、私は天国に洪水をもたらさぬよう、トイレまでその異常に長く感じる道のりを歩むのだ。

 

そして、尿意から解き放たれ再び天国へと帰ってくる。

 

 

自身の熱の余韻で程よくあたためられたふとんへ。

 

 

出国の時のような手続きはいらない。

私は再び幸せの中へ落ちていくのだ。

 

 

 

《おしまい》