店内に充満するフレッシュな香り。
感じるマイナスイオン。
忙しない囀りを聴きながら、ゆっくり目を閉じる。
すると、そこはもう山奥の自然溢れる隠れ家カフェ…
などということはなく、ここは紛れもなくコンビニ。我々の味方24時間営業のミニストップである。
私は今、油でカラッと揚げられたホクホクのポテトをつまみながら、UCCのあったか〜い缶コーヒーを飲んでいる。
店内に充満する揚げ物の香り。
感じる蛍光灯の眩しさ。
忙しなく流れるBGMからは、流行りのJポップが流れている。
ここはオフィス街。
昼時の、人の出入りの激しさを背中で感じながら貪るポテト。最高の背徳感。
ミニストップ、ああ、そなたは罪である。
なぜそんなにも、揚げ物が美味いのか?
スイーツまで尋常無き美味さ。
街中を少しばかり探さなければ見つからないところを含めて、そなたを愛している。
「近所にもあれば良いのに…鬼通いやで」
何度となくそう考えた。
だが、それはもはやミニストップではない。
ほぼストップになってしまう。
やはりミニストップには、ミニストップでいてもらわなければならない。
ハロハロの黒蜜きなこが食べたい。
あれはそう、まだ無職になる前。
仕事帰りに立ち寄り食べる、ハロハロ黒蜜きなこ。クタクタに疲れた体にしみる黒蜜とアイスの甘美なる甘さ。
ハロハロを食べながら、友人と話した将来のこと。
「鹿狩りをしてさ、山で生きたいよね」
…疲れてたよね、2人とも。
今はどうしてるのかな…猟師志望の元同期。
そんな疲れた私達を、いつだってミニストップは優しく照らしていた。
キャッチコピーは「街角のあなたの憩いの場 ミニストップ」
それはまるでオアシスのように、いつでも我々を受け入れてくれる。